おいしいものが食べたい

26週で妊娠糖尿病の診断あり。日々気になったことや自分のためのメモを気ままに書いていくブログ。

コウノドリ シーズン2 感想

シーズン1から何年後の話かなーと思っていたら、1話で「なおとくんが2歳」と言っていたのですぐわかりました。

全体を通して感じたこと

鴻鳥先生と四宮先生

2人の絆を感じたところがいくつか印象に残っています。
妊婦さんの心配をするあまり無理をしそうな鴻鳥先生に対して四宮先生が「お前が大丈夫じゃないんだよ」と肩に手を置くシーン、父親の危篤時に快くサポートする鴻鳥先生、2人並んで廊下を歩くところ、などなど。良いコンビだな〜と思います。

食べ物

シーズン2を通して印象強かったのが食べ物(笑)
鴻鳥先生が ポヤング焼きそば/焼きそばパン
四宮先生が 牛乳/ジャムパン(他人を励ます時はホイップクリーム入り/救命科に行く下屋先生や術後の小松さんへのお見舞い品)
下屋先生が 焼肉/焼肉弁当 で、加瀬先生の影響なのか屋上でアイス食べてるところ見て笑いました。甘いもの欲しくなるのかもしれない。
子宮内胎児死亡回の時にプリンが出てきて食べたくなりました。
あと四宮先生がお土産の品がなんの海産物なのかきっちりわかっているところに地元民感を感じました。
お話の中のちょこっとした食べ物の話、大好きだぜ。
あと度々飲み会のシーンが出てきて、大人数で楽しそうに話しながら飲み食いしているシーンを見て「いいなぁ〜またやりたいなぁ〜…」としみじみしました。コロナ禍の今、ああいった飲み会の独特の雰囲気を体験したことがない(できていない)人がいると思うと、少し悲しくなります。早くコロナが終息しますように。
余談だけど子どもがワクチン接種できない以上、大人がワクチンを接種して集団免疫を獲得することが子どもを守ることだと考えているのですが、世の中のワクチン拒否する人がいるせいでそれも実現が微妙かと思うとちょっともにょる…。いやもちろんワクチン接種しないことを選ぶ権利もあるとは思っているけども。

テーマ

シーズン2で印象強く感じたテーマは「産んだ後も現実は続いていく」「ひとりじゃない。誰かに頼っていい」です。

前者は1話目で何度か出てきて、2話目で産後鬱になりそうな産褥婦が出てきたことから、シーズン2は産後のことを主なテーマとして取り扱っていくのかな?と思い、10話でも似た文言を繰り返していたことから、これがこのドラマのメッセージの一つだと思いました。
病院でできることは限られている。退院した後もその人たちの人生が続いていく。だからこそ、医療従事者として病院にいる時には寄り添い支えてあげることが大切な役割だと学ぶことができました。

後者は誰かがつまづいた時に必ず周りの人が助けに入っていたこと、「頼ることは悪いことじゃない」と何度も言っていた印象があったことから感じることができました。
鴻鳥先生がトラウマに苦しんでいる時にその心身を案じていた四宮先生、躓いた時にお互い話をしてくれた下屋先生と白川先生、手術を受けるのが怖かったという小松さんの本音を言える存在である向井さん、ひとりで地域の産科を支えて自分が倒れた時は息子に頼った四宮先生(父)、数え出したらキリがないほど、作中に「人と人との支え合い」が描かれていたと思います。

コウノドリというドラマは、「出産は奇跡、命は尊い」という考えが前提のもと、その産まれた命にはその後に続く人生があり、その人生は人と人との繋がりの中で紡がれていくこと。困難なこともあるけれど人はひとりではなく支え合って生きていけること。誰かに頼ることは甘えなどではなく生きていく上で当たり前のことなのだと、伝えている気がしました。

キャストについて

みんないい意味で老けてるのに四宮先生(星野源さん)だけタイムスリップしてきてない?気のせい?


各話ざっくり感想

第1話 全ろうの妊婦、心室中隔欠損

シーズン1の1話目と同様、シーズン2の1話目でもさらっと未受診妊婦がまた出てきたことに、シーズン1の1話目を若干踏襲していなと感じました。島の中で妊婦が噂されず見つからず未受診てこともあるのか〜という思いはさておき。
監督の指示なのか、四宮先生がだいぶ柔らかくなっている印象を受けました。シーズン1で口唇口蓋裂の妊婦に説明不足で「妊婦には優しくしてください!」と言われた学びを活かしてなのか、今回の心室中隔欠損の夫婦には、新生児科の今橋先生と一緒に四宮先生も丁寧に説明しているシーンを見て「おお…成長している…」と思いました。
好きなセリフ
四宮先生「何言ってんだ。手伝う?お前の子だよ」
患者家族にも容赦ない物言いする四ノ宮先生のキャラって大事よな…好き…。

第2話 子宮頸部腺がん

出産時に研修医が邪魔になってる感じ、リアルで笑ってしまった。
子宮頸がんの治療を取るか、出産を取るか。鴻鳥先生の出生の経緯を知っている人なら、真っ先に鴻鳥先生の母親のことを思い浮かべていると思います。
「子どもを産める産めないで、価値なんか決まんないよ」という夫のセリフ、特定層へ刺されと思いました。

鴻鳥先生「お母さんの癌の状態は、蓋を開けてみないとわからないよ」
四宮先生「蓋を開けてから、ベビーに重い後遺症が残りました、じゃダメなんだ」
鴻鳥先生「予想以上に癌が進んでいたら早かったらどうする」
四宮先生「予想以上にベビーの後遺症が残ったらどうする」

この2人の産科医が真っ向から意見が割れた時、四宮先生が3人目の産科医である下屋先生に意見を求めるところに、下屋先生を1人の医師とし認めていることが感じられて感動しました。産科専門医になった下屋先生の実力が成長しているとともに、そこに意見を求めるようになった四宮先生も成長していると思います。医師として第三者の意見を聞くのは当然の行動と言われればそれまでだけど。
NICUの意見として白川先生が意見を述べているところにも成長を感じられました。
そしてその後、四宮先生と小松さんの意見がまた軽く食い違った時、仲違いせずそれを確認したのもみんなの成長だと思うし、シーズン1を踏まえてのやりとりだなと思いました。そしてそこからの締め台詞「老けましたね」(笑)。こういうちょいちょい挟まれてるギャグ大好きです。
この一連の各意見の確認で、シーズン1の四宮先生と比較してシーズン2の四宮先生が「周りと円滑に意見交換ができる程度にコミュニケーション力が成長している」と感じました。いや言い過ぎかもしれない。

余談ですが、子宮頸がんワクチンについて。
産婦人科の先生が積極的に接種するよう働きかけてはいますが、やはり今も日本の摂取率は先進国の中で問題になるほど低いままだそうです。ワクチンで防げる癌なのに、摂取率が低いために子宮頸がんの死亡率が先進国の中で高いのも問題になってますね。現在更に問題になっているのは、ワクチンを輸入しているのに摂取率が悪いために破棄する事態になるかもしれないこと、そうなると今後の輸入量等に影響が出るかもしれないことです。
私自身、やはり昔ワクチンの副作用が大々的に報じられたことで、母親は私にワクチンを接種させず「よかった。あれは危ないと思ったんだ」と漏らしていました。小松さんのいう通り「子どもを守るのは母親の役目」で、まさにうちはそれが当てはまった家庭になります。今からでも接種すべきかと言われればそうなんだろうけど、今現在新型コロナや風疹のワクチン接種が控えており、更に経済的にも余裕があるわけではなく(9価ワクチンは10万くらいするらしい)、接種するにしても娘がいる今時間を取るのもやや難しい(コロナの関係で一緒に病院に行くのも憚られる)状態なので、子宮頸がんのワクチン接種は優先度的に低いと言わざるを得ません。でももしこれで今後自分が子宮頸がんになったら「打っておけばよかった」って思うんだろうなぁ…難しい。

第3話 産後うつ、無痛分娩

佐野さん自殺しちゃうかと思いました。助かってよかったです…。
佐野さん(母)の、育児や仕事に対する価値観と娘への無神経な言動、「職場ではイクメンって言われてるんですよ」とか能天気にのたまう育児してるつもりになってる夫に、心の底から「クソだな」と思いました。
一方、四宮先生が夫に言った言葉、思ったより優しかったのに驚きました。昔の四宮先生だったらもっとキッツイこと言ってたんじゃないかな〜と思います。いっそその方がスカッとしたかもしれません。

この回を見て、やはり母親に必要なのは、母親が休息を取れる時間を作ること、赤ちゃんと離れる時間を作ること。それができるよう周りがサポートすること。実務的なことだけでなく、精神的に寄り添うことも必要だと思いました。
赤ちゃんがずっと泣いてると、佐野さんのように「私がダメな母親だって言いたいの?」と被害妄想に陥ってしまうことも現実にあるんだと思います。なのでそうなる前に、佐野さんには諸々サポートが必要だったのに、実の親にも夫にも寄り添ってもらえず孤独を助長してしまったこと。それが鬱の原因の一つであると思いました。
「母親の休息」というのは睡眠時間のことだけでなく、誰かと話したりおいしいものを食べたりすることだと考えます。作中、佐野さんが仕事の同僚からのメールに表情を明るくさせて、部屋を片付けて身なりも整えていたように、「ゆっくりお茶を飲みながら誰かと話をする時間」は母親の気分転換、つまりは心の休息に十分なり得ると考えます。あと、自分の身内以外の人に我が子を「かわいい」と言ってもらえるのって、結構自己肯定感が増す気がします。今回は、同僚との話で更にショックを受け「自分は誰にも必要とされていない」と鬱傾向が加速してしまいましたが、そのように誰かとの対話で精神的ショックを受けたことを、また別の誰かに話すことができる環境があれば、産後鬱に陥る可能性も低くなるのではないかと思いました。

母親としては、周りに頼ること、優先順位を考えること(考える気力もないかもしれないけど…)が必要かなと思いました。
私自身、周りというか夫に頼るのが憚られた時期があり、1人で全部やろうとして一週間実際にワンオペした後、爆発しました(というか24時間一回も娘の顔も見ようともせず、1日何があったかどうだったかも聞かず、1人で夕飯食べて1人で風呂入って1人で勉強して1人で寝るのなんなの?って思ったし実際に「あなたは娘のなんなの?」って言うくらいにはキレました)。なので今思えば、ちゃんと最初から夫に言葉にして頼って、無理しない方がよかったなと思いました。素直になれなかった私の反省点です。
優先順位というのは、今回佐野さんは育児より仕事を優先して考えて行き詰まったように見えたからです。「早く保育園に入れて仕事に復帰しないと、会社での自分の居場所がなくなる」という焦り、産後まもない母親にとって本当に良くない心労だと思います。なので全世界の会社は妊婦及び産後の母親が安心して育児に取り組めるように仕事を考えて欲しい…無理だろうけど…どこかに皺寄せがきても余裕で回せる仕事場ってとても少ないんだろうな…悲しきかな。

第4話 トーラック

妊婦さんが陣痛きて救急搬送されたとき、付き添いの夫が同僚と屋形船で飲み会するから出産する時間が知りたいと小松さんに訊いた後の
小松さん「屋形船!?」(信じられない顔)
が好きでした。「奥さんが陣痛で苦しんでいてこれから出産するって時に飲み会に行くとかお前何考えてんの!?」という言外のメッセージがありありと伝わってきました(笑)言葉にしすぎない演出が好きです。そして臨月の妊婦差し置いて飲み会に行く(行こうとする)全国の男、見ているか。一生恨まれるしあり得ないぞ。
で、長時間の陣痛に耐えた末に経膣分娩が難しいと判断され帝王切開に切り替えるってときに、小松さんが夫にかけた「屋形船残念だったねぇ」という言葉に対して「ふざけたこと言ってすみませんでした!」と夫が改心しているのも好きでした。陣痛の壮絶さって、実際に見ないと絶対「わからない」ところがあると思います。実際に経験してみて本当にそう思ったし、あれを世の男性たちに理解してもらうのは少し難しいだろうなと思います。(今思い返しても痛すぎて軽くパニックになってました。)だからこそ、男性は絶対に経験できないからこそ、出産時に奥さんの陣痛を和らげるのを手伝ったり、気持ちや訴えを聞いて反発したり茶化したりすることなく寄り添える男性は素晴らしいなと思いました。

恥ずかしながらトーラックという言葉を初めて知りました。帝王切開で出産後も経膣分娩できる場合があるとは知っていましたが、トーラックというんですね。
作中、四宮先生はじめ諸先生方は、母子の健康を第一としてトーラックはやめるべきだと提言しました。正直、私も医療者の端くれのため、この四宮先生寄りの考えでした。
それに対して、周りの提言を聞き入れた上で、妊婦さんの希望に沿った出産にできるよう寄り添う対応をした鴻鳥先生は本当に優しいし強いと思います。そして、鴻鳥先生をはじめ小松さんら女性陣が「(出産時の母子の危険を承知した上で)それでも女には下から産みたいという気持ちがある」という旨の発言を聞き、少し考えを改めました。

というのも、妊婦さんの境遇を自分に当てはめて考えると、このトーラックを希望する妊婦さんの気持ちが少しわかったからです。
私の娘は最初、逆子でした。逆子が治ったのは34週あたり、産休に入った後だと記憶しています。なので、それまでは帝王切開で産む気でした。その時、「帝王切開で産むのは当然」と思うと同時に「下から産んでみたかった」と思っていたことを思い出したのです。
作中でも語られている通り、一度帝王切開で出産すると、以後の出産では子宮破裂などのリスクがあるため、以降の出産方法はほぼ帝王切開が選択されます。更に、帝王切開での出産の場合は、腹腔内の癒着などの関係で設ける子どもの人数も限られてきます。なので、第一子で経膣分娩できなかった場合は、一生経膣分娩を経験することがない(できない)可能性があります。
それらを理解していたからこそ、第一子が帝王切開となるかもしれないと知った時、「下から産んでみたかった」と思ったのです。なので、このお話の妊婦さんが最初のお産で後悔を残し、次のお産では絶対に経膣で産みたいという気持ちを持っていたのも、うまく言葉に表せませんが、僅かに共感できました。その気持ちは作中で語るには難しいと思いますし、ドラマを見ていて共感できる人も、性別関係なく少ないかもしれません。でも、確かにそういう気持ちがあることを、作中の小松さんのセリフで表していたことに、少なからず感動しました。脚本家ってすごい。
「経膣分娩にこだわる妊婦の話」はシーズン1でもありましたが、こだわる理由は人それぞれで、こういったパターンもあるのだなぁと思った人もいるんじゃないかと思います。

第5話 切迫早産、子宮内胎児死亡(死産)

無理(情緒が)
シーズン2の情緒崩壊回でした。出産前後の死亡、ドラマの中でも本当に悲しくて涙が止まりませんでした。死産した妊婦役の篠原ゆき子さんの演技が本当に鬼気迫る演技だったのも号泣した一因です。控えめだけど自然な演技が魅力的で、特に「お腹の中で赤ちゃんが亡くなっていることを知った時」「その現実を受け入れようとしているけど、悲しみと絶望が溢れてくる感覚」は、表情ひとつひとつから、言葉に言い表すことが難しいそれらの心情がひしひしと伝わってきて痛々しかったです。

キューブラー・ロスの死の5段階の受容過程は有名ですが、下記のような言動・行動で描写されていたかなと思います。

①赤ちゃんの心拍がエコーで確認できないことを認めたくない心(否認)
②医師の指示に従い入院し切迫流産のために安静保持や点滴を頑張っていたにも関わらず、赤ちゃんがお腹の中で死亡してしまったことへの憤り。
隣のベッドで同じ切迫早産の治療をしている人は3人目の出産だし元気そうなのに、自分は元気な赤ちゃんを産むことができなかったという現実に対する劣等感。(怒り)
③子宮内胎児死亡の原因は何か医師に尋ね、自分を説得しようとしている行動。助産師と夫とともに、子ども(の遺体)を沐浴する(取り引き)
④死産で赤ちゃんに吸ってもらうことはできないのに張る胸に抱く虚無感(抑うつ
⑤旅立ちの間でたくさんのスタッフに順番に大切に抱っこされ、夫作のケーキのメッセージを見て、死産とはいえ自分が赤ちゃんを産んだ現実を受け入れる(受容)

順番が異なるところもありますが、概ねこんな感じかと思います。どのシーンもとても辛かったです。
死産という受け入れ難い現実を目の前にした元妊婦さんに対し、助産師である小松さんが、限られた時間の中で夫婦が赤ちゃんに愛を注ぎ死を受け入れられるように声をかけるシーンは、辛かったのと同時に感心したシーンでした。事が事だけに言葉選びや口調、伝える内容もかなり考えないといけないことかと思います。おそらく夫婦は、子どもの死を受け入れるためにどうすればいいかわからないでいると思いました。そこに小松さんが、「戸籍に残せないこと」「一緒にいられる時間が限られていること」をやんわりと伝えた上で、「たくさん抱っこしてあげて。」「手形や足形をとってもいいし、お風呂に入れてあげてもいい。」と、本当にひとつひとつ具体的に「やれること」を言葉にして伝えたことは、頭が真っ白な夫婦にとって大変な助けになったと思います。また、ショックの大きい妻に代わって夫が「じゃあ、お風呂に入れてあげてもいいですか」と希望を出したのも、妻にとっては大きな助けであったと思います。夫は無口ですが、この時沐浴を希望しただけでなく、胎児死亡で泣き崩れる妻を黙って抱きしめる、旅立ちの間で自作のメッセージプレート付きのケーキを出すなど、行動で妻をサポートする良き夫であると感じました。
最後、夫婦が正面玄関からのお見送りを希望したのは、夫婦共に「子どもの死を受け入れることができた」表れだと感じました。

元同室で3人目を妊娠していた妊婦さんに「元っ気な赤ちゃんを産んでね!」と言ったシーンは、劣等感と喪失感と絶望に苛まれながらも他人を気遣うことのできる優しくて明るい人柄の現れだと思いました。

第6話 切迫早産、甲状腺クリーゼ

そういえば総合病院の内科初診時に甲状腺機能の検査したことを思い出しました。甲状腺クリーぜという、こんな恐ろしい事態になる可能性がある疾患が隠れているかもしれないことは知りませんでした。
下屋先生にとってはショックな出来事でしたが、それを受け止めて次に進もうとする下屋先生の打たれ強さが好きです。
救命救急科部長の人柄があまりに「あ〜〜〜いる〜〜〜わかる〜〜〜」って感じでそこは笑ってしまいました。

第7話 子宮腺筋症、卵巣チョコレート嚢胞

未婚・既婚・子持ち・子なしに関わらず、女性の象徴ともいうべき臓器である子宮を摘出しなければならないことは、少なからず喪失感が伴うものだと思います。いつだかの話で、子宮全摘となった患者さんの子宮のことを院長が「お役御免ってとこだね」と言ったのに対して、小松さんが「じゃあキンタマいらないね」「女も同じことだよ」と言っていたのを思い出しました。
作中に45歳で妊娠した小松さんと同期の助産師さんが「さんざん患者さんに寄り添っていたのに、いざ自分のこととなるとわからないよね」と言っていたことは、小松さんにも言えることだと思います。患者さんにとって子宮全摘が喪失感を伴う処置であることを十分わかっている小松さんが、自身も同じ境遇になってその感情を抱いたことが容易に想像できました。また、小松さんほどのベテラン助産師さんでも摘出時に恐怖を抱いている描写から、医療者もひとりの人間であることが感じられました。
小松さんが一時休職するにあたり周りが快くサポートしてくれる環境であることが微笑ましかったです。親は既に他界しており兄弟もおらず夫もいない小松さんだけど、その温かく誠実な人柄は素晴らしく、小松さんの人望がいかに厚いかを感じられる回でした。
「子宮が最後の頼りだったんだ」というセリフが刺さりました。

第8話 総肺静脈還流異常症

赤ちゃんという小さな小さな人間の治療は本当に大変だと思います。赤ちゃんを心配する親御さん達の心に寄り添うことを大切にしている良い病棟だと思いました。
今回白川先生は、今橋先生の助言にも耳を傾けず、スタッフにも上から目線でやや天狗になり、結果として誤診という赤ちゃんの命を危険に晒す失敗を犯してしまいました。今橋先生や新井先生ほどの優秀な先生ですらそういう時期があったのだから、過ちがあってはならないけれど、多くの人が通る道であるのだと思います。前々回で下屋先生が甲状腺クリーゼの発見が遅れ母体死亡事例を経験して成長したように、今回は白川先生の成長回であると思いました。2人の良いところは失敗で立ち止まらず、周りの支えを得て前に進んでいこうとする姿勢だと思います。実際にはとても難しいことかと思いますが、フィクションでも向上心のある医師の姿を見るのは励みになるし、見ていて気持ちが良かったです。
言うべきことははっきり言い自身の失敗に最後まで責任を取らせる今橋先生、密かに新井先生に白川先生のフォローを依頼していた鴻鳥先生、本音を言い合える同期の下屋先生、などなど、(元)ペルソナ病院のスタッフは本当に素晴らしいなぁと思いました。

第9話 不育症

子ども好きの夫の思いに応えてあげられないのが一番辛い、という妻の思いがあまりに痛々しくて泣いてしまいました。流産を経験しているということは、それだけ失う経験をしているということだと思います。子どもが欲しいのに育たないというのは、想像を絶する苦しさなのだと思いました。エコーで見えた小さな小さな心臓の鼓動を見て、今腕に抱いている娘もこれくらい小さい時から頑張っていたんだよなぁと思い、泣けました。

四宮先生のお父さんの演技が大好きです。地域の妊婦さんのために身を削って頑張っているお父さん、立派です。四宮先生の知らないところで「自慢の息子だ」と言っていて、いざ自分の代わりに早剥の手術に入ってもらう時に家族に「信じてやってください」というの、父親から息子への信頼が感じられてとても良かったです。

第10話 新型出生前診断、21トリソミー(ダウン症候群)

白川先生とダウン症の子が戯れているシーンが好きすぎてセリフが全然入ってこず、そのシーンだけ3回くらい見直しました(笑)

人工中絶するということは、赤ちゃんを殺すということ。言葉が強いですがその事実から逃げてはいけないと思います。そしてきっと中絶処置を受ける妊婦さんはみんな、その苦しみと罪悪感と恐怖を少なからず抱いていると思います(知らんけど)。中絶した我が子を抱っこして「温かかった」と涙を流した元妊婦さんのシーンを見て、それを強く感じました。

出生前診断が命の選別である、という考えを私は否定しません。私の職場の上司は不妊治療を経てやっと第一子を授かった方でした。その方は高齢出産であったため「障害があったら育てる自信がないから出生前診断を受けた」と言っていました。私ももし自分が高齢出産の年齢に達していたら、出生前診断を受けたと思います。子どもがダウン症の場合、健常児と比較して、家族全員の未来が一変する大事です。作中でも言っている通り子どもを育てるのは家族だし、責任を負うのも家族です。だから私は出生前診断を受けることは責めることではないと思います。そしてその選択について医療者がどうこういうべきではないし、家族が結論を出したのならその選択を尊重するのが医療者としての在り方だと思いました。

最終話 21トリソミー(ダウン症候群)、羊水塞栓症によるDIC

最終回らしく、「オランダへようこそ」という詩とともに、いろんな赤ちゃんとそのご家族が流れるシーンで泣いてしまいました。そして21トリソミーを身ごもっている妊婦さんが、その家族に「みんなで支えてほしいんです」と素直に言ったこと、「トウコはひとりじゃない。この子もひとりじゃない」とその夫が言ったこと、「この子はみんなの子だものね」と妊婦さんの母親が言ったこと。このみんなで育てていく、ひとりではないというメッセージが、このドラマの大事なテーマの一つだと改めて思いました。

四宮先生は故郷へ、小松さんは助産院開設とそれぞれの未来を歩むことになっても、自分たちは「家族」だと絆を確認しあい、熱い抱擁を交わすシーンにジーンとしました。家族のいなかった鴻鳥先生が「家族」というからこそ、絆の強さがより表れていると思います。
主人公らしく鴻鳥先生が要としてペルソナ病院に残り、院外でも周産期医療を支えていく道を歩む3人がとても好きです。下屋先生や白川先生が、他所で頑張ってまたペルソナ病院の自分の診療科に戻ってきたい、と思っているところも好きです。コウノドリに出てくる先生はみんな命に真剣に向き合っていて一所懸命で、患者さんにも患者家族にも寄り添おうとしていて、見ていてとても心が温かくなるヒューマンドラマでした。

他、思ったこと。
・朝からあんぱん3個半は糖質エグいwwwwwwwwwwwやばいぞ と妊娠糖尿病を経験した私は思ったのであった。あんこ美味しいけどマジで糖質エグいよね。美味しいけど。
・鴻鳥先生が関わった離島でひとり医師を続ける先生、田舎でひとり産科医を続けた四宮先生(父)、重ねて作った設定なんだろうな〜と思ったら案の定ここでリンクさせてきてちょっと興奮しました。「ひとりぼっちで戦わなきゃいけないなんてことはない」支え合い、必要よね。
・救命科部長が下屋先生のこと認めてて私までめぇぇっっちゃ嬉しくなりました😂厳しい人が部下の成長を認める展開、好き。
・「水!」って言われた夫が自分が飲んじゃうの、シーズン1の1話を踏襲している(笑)
・小松さんの同期が羊水塞栓症になって助かる話をここに持ってきたんだなぁ。出血1500cc出てる時の生あくび、演技指導としては的確、そして怖いと思いました。助かって良かった。

他にも色々思ったことあった気がするけど長くなりすぎたので、思い出したら後でまた追記します。
娘を抱いて見るコウノドリ、良かったです(涙)

コウノドリ シーズン1感想

最近はソファ前のテーブルにiPadとイヤホンと飲み物を準備しておき、娘を抱っこで寝かしつけたあと、抱っこしたままソファに座ってコウノドリを見るのが習慣になっていました。8/29〜9/2の5日間でエピソード10(最終回)まで視聴完了。折角なので感想を書き留めておこうと思います。読む価値はないです。

全話ともエピソード、演出、諸々全部良かったです。

キャストとかについて

脚本を書いた山本むつみさんという方は、脚本家として割と評判が良いそうです。あと坪田文さんという方も脚本に関わってるよう。公式サイトによると、脚本を書くにあたり全国各地の病院に丹念な取材を行ったそうで、やはり良い脚本を書く人は、そのための情報のインプットを怠らないのだなと感心しました。そしてその知識を脚本へ昇華する力が高いのがすごいと思います。

綾野剛さんてコウノドリが連続ドラマ初主演だったんですね。すごい〜。最初はあまり気にしていなかったけど、後半になるにつれ、厳しい現実を諭すときの優しくて穏やかな鴻鳥先生の声、すごいなぁ〜と思ってました。

四ノ宮先生の役が星野源さんだったのは知らなくて、「え!?あの冷徹(失礼)な四ノ宮先生を、星野源が!?」なんて思ってたんですが、見てたら全然違和感なくしっかりハマってるように感じられて、星野源さんの演技力すげ〜…と感心してました。常に仏頂面の役のせいもあってか、妊婦さんに「妊婦にはもっと優しくしてください!」って言われたあとにふっと笑った時の笑顔がめちゃくちゃチャーミングでびっくりした。いやいつもの星野源さんみたいな感じなんだけど、破壊力がやべかったですよ。はい。

下屋先生役の松岡茉優さんはひたすら美人だな〜かわいいな〜と思ってたし、その役とリアクションが相成って、ふわ〜初々しい感じよき…と思ってました。松岡さんだけじゃないけど、妊婦役の人含めてみんな髪がサラッサラで整ってて、さすが女優やな…って思った。

個人的にすごい好きだったのが小松さん役の吉田羊さん。「こういうスタッフ、いるいる!!!」ってめっちゃ思ってた(笑)ベテランでその場にいると頼りになるし雰囲気和むし話も上手いしって人。ぴったりだなぁと思ったし、この方の手が好きで、「スマ〜イル!」ってやる時の手とかガン見してました(笑)あとやっぱり演技上手い。小松さんメインの回の、小松さんの生い立ちを語りながら泣きそうになりながら気丈に振る舞う時の演技と表情がグッときました。
話少し逸れるけど、救命救急科の加瀬先生(平山祐介さん)、新生児科の新井先生(山口紗弥加さん)も、「あーーこういう先生、いるいる!!!」ってなんか思ってしまった(笑)私の記憶では新井先生の感じが“””ガチ“”“すぎてコエェ…!ってひとりブルってた。でも総じてああいう人は仕事ができるのも同じ。わかる。好き。

同じく新生児科の今橋先生(大森南朋)は見た目の人柄と役柄がどハマりすぎて最高チョイスすぎると思いました。父性溢れてるよ〜絶対手技丁寧で後輩の指導も上手いやつだよ〜。実際、白川先生の「不妊治療外来と産科は妊娠・出産がゴールで新生児科に皺寄せがくる」という考え方に対して「その考え方はおかしい。それはゴールではないし、そう考えているスタッフは誰もいない」とはっきり言うシーンがあったり、「口唇口蓋裂は手術で完治するのに心配しすぎじゃね?なんで受け入れられないん?」と言っていた白川先生に対して、過去同じように子どもが口唇口蓋裂で苦しんだ患者さんからの手紙を何も言わずスッと渡して、白川先生自身に考えさせる描写があって、私は大変満足しました(笑)白川先生が手紙を読んでちゃんと考える人間だって思ってるからこそのこの指導方法なんだと思います。あとひとり抱え込みがちな新井先生のことも気にかけて「赤ちゃんのためにしっかり休んでください」って言うのも、てこでも動かない鉄の女に対する効果的なアプローチを考えて言ってるな〜って思ったし、「新井先生も仲間ですから」っていう今橋先生、マジで良い先生…と思いました。

で、そういう描写を脚本に上げる人(脚本家)、演技のバランスを見てる人(監督とか)、この役にこの人と当てはめる人、などなどなど、色んな優秀なスタッフがいてこそ、この感動的なドラマができてるんだろうな〜〜と感動しました。

赤ちゃんについて

合法的に他人の赤ちゃんが見放題なのが超良かったです(ニコニコしながら)
撮影方法とかに詳しくないんだけど、こういう病院ものって場所とか一旦開けてるのかな…どうやってるんだろう…。
NICUの赤ちゃんを一瞬でもコマ送りで映すだけで、だいぶ「NICU」の説得力の強さが違うなと思いました。

おそらく、本当にNICUにいる赤ちゃんたちのご両親に撮影の許可を貰ったんだろうなと思います。(多分ね。)コウノドリのドラマが良いものに出来上がったからこそ、その撮影に協力してくれた赤ちゃんたちには良い思い出になったろうな〜と思いました。

カメラワークを意識して見ていたんだけど、両親役と赤ちゃんが3人一緒に映ってる場面はほんのごくわずかでしたね(最終回の時とか)。大抵は「両親だけ」「赤ちゃんだけ」のカットが多く、保育器越しに撮影されたものでは、両親と赤ちゃんが同時に映ってるところはあまりなかったと記憶しています。これは想像だけど、実際に赤ちゃんに触れている指や手は、実際のご両親の手だったんじゃないかと思います。NICUに入るくらいの重症度の乳児に、ドラマの撮影とはいえおいそれと触れさせない気がする…のは考えすぎだろうか。調べたら出てくるのかな。出産直後の赤ちゃんとか、どうやってるんだろう…とすごく気になりました。あとみんなかわいい。赤ちゃんはかわいい。

18トリソミーエドワーズ症候群)のなおとくん役の赤ちゃんについては、これも想像というか勘だけど、本当に18トリソミーの赤ちゃんだったんじゃないかと思っています。で、調べてみたら、やはり本当に18トリソミーのお子さんでした。
命がもたらす希望。。。:コウノドリに出演していたなおとくんの今。。。 - 日記
仁くんというんですね。一昨年に4歳の誕生日を迎えたという記事です。おめでとうございます。
ドラマでも思ったけど、改めて写真で見てもかわいい💓最終回で泣いちゃうところとか、本当に…(悪いのかもしれないけど)かわいい…って思いました…赤ちゃんが泣くのはかわいい…愛しい…(ギャン泣きされすぎるとメンタル削れるけど…)

各話ざっくり感想

第1話 飛び込み出産

未受診妊婦の話。最初は未受診という妊娠経過の管理のできなさ、「あの子いらない」という無責任な発言、無断病棟離脱に憤りを感じていました。でもそんな人にも優しい言葉をかける鴻鳥先生、優しい…。そして本来であれば、患者がいかに感情的であろうとも寄り添うのが医療従事者の役割なんだろうなぁと、シーズン1全てを通して思いました。「社会的に自立しておらず育児が難しい人へはちゃんと行政が支援するよ」という啓蒙と、この未受診妊婦の赤ちゃんと同じように鴻鳥先生自身が乳児院児童養護施設という施設で育ったという生い立ちの紹介も兼ねていると思いました。

第2話 交通事故に遭った臨月の妊婦

む゛り゛(情緒が)
交通事故にあってしまい母体は瀕死、赤ちゃんは元気、このまま母体の治療を続けるか、赤ちゃんを優先するかという選択肢を迫られた父親が、判断を迷っているうちに母体が急変して帝王切開で赤ちゃんを取り出すことになったお話。父親役の小栗旬さんの演技に何度ももらい泣きしました。
母親(母体)が自ら急変して赤ちゃんの誕生を優先させたことを「ハルが決めたんです」と称する物語性が好きです。でもテーマがテーマなだけにエンタメだと割り切れなくて、「自分の命より赤ちゃんの命が大切」という母親ハルの思いにも共感しまくりでボロ泣きしまくりの回でした。霊安室に静かに横たわったハルに、父親が縋り付くように泣いて「ハル、俺無理だよ。ハルがいてくれなきゃ」というシーンも、心情があまりにリアルでボロ泣きしました。最愛のパートナーを失った悲しさ、ひとりで子育てしていかなければいけない不安、むりだよね。無゛理゛
脳裏には池袋暴走事故がよぎりました。丁度今日が判決日で禁錮5年だそうですが全く納得いってません。

第3話 風疹の予防接種の啓蒙、妊娠中の喫煙の影響

うちは夫婦共に風疹の抗体価が足りなくて、妊娠初期は過ぎていましたが夫には自費で風疹の予防接種を受けてもらいました。夫には接種するようだいぶ強く言ったし、夫はそれに不服そうではあったけど、やっぱり間違ってなかったなと思った回でした。私は次の娘の予防接種の時に予約をして、次の次の予防接種の時に打つ予定。

第4話 切迫流産の危機

超未熟児で産む決断をするのは並大抵のことじゃないけど、その判断はその赤ちゃんの親しか下せないというのもまた事実。厳しい現実を学んだ回でした。改めて、39週までお腹の中でしっかり育ってくれた娘にありがとうと感謝しました。(泣)

第5話 中学生の出産、特別養子縁組

14歳の頃の自分でめっちゃアホで厨二だったような気がする。自分のことを思い返しても、やっぱり14歳って考えが短慮で浅はかで未来への見通しも甘くて子どもだなと思いました。だからやっぱり中学生ってまだまだ守るべき「子ども」だなと再認識した回。
この14歳の母親役の方の出産時と出産後の演技がすっっっごい良いと思いました。1話目の妊婦さんの出産時の演技なんかは「控えめだな〜」と思ってたんだけど、実際自分が経膣分娩したあとだと、この14歳の母親の演技の方がしっくり来ました。そうそうこんな感じ、痛いよね叫ぶよね、と。
で、産まれたあとに自分の顔元に運ばれてきた赤ちゃんを「じゃあ、連れて行くよ」と言われた時の、返事のできなさ。表情。「これに尽きる」と思いました。自分のお腹の中で育ち、自分が必死で産んで、無事に産まれてきてくれた我が子。その産まれた赤ちゃんを、自分がしっかり考えて養子縁組に出すことを決めていたとはいえ、本当は連れて行ってほしくない、自分の元で育てたい。助産師さんに「じゃあ、連れて行くよ」と言われても、決して「はい」とは言えない。でも、自分で考えて決めたんだから、「連れて行かないで」とも言えない。その絶妙さが表現されていると感じました。これは年齢は関係なく「母親」の感情であると思うし、そう思えるくらい赤ちゃんのことを考えたのかなと思います。養子縁組の親元に赤ちゃんを連れて行かれたあと、声を出して号泣するシーンにももらい泣きしました。ひとりの人間の人生を始めさせる責任の大きさ、ひとりの人間を育てていくことの難しさ。色々学びがある回だと思いました。

第6話 不妊治療、高齢出産

冒頭、仕事のために堕胎を希望する妊婦に対し、四宮先生がはっきりと今後のリスクを言うのスカッとしました。(実際の世の中には色んな理由で堕胎する人がいるとは思うけど)私の妊娠は丁度不妊治療を始める一歩手前の時期に判明したので、運が良かったと思ったし、やはり子どもは授かりものだなと思いました。私の職場には不妊治療をしてやっと授かった方も、諦めた方もいるので、余計にそう思うのかもしれません。
帝王切開からの羊水塞栓症(主な病態は心肺虚脱とDIC)で助かった展開になっていたけど、原作では確か死亡していたと思う(二例目の、小松さんの友人の出産時は助かってた気がするけど)。2話目でひとり亡くなっているので、全体のバランスとしてこれ以上死亡事例を入れないのはよかったと思います。
子宮を温存させたくて焦る鴻鳥先生に、今までのお話の経過を踏まえて子宮全摘に少しこだわりがありつつも冷静に判断できるようになった四宮先生が、「サクラ!」と冷静さを取り戻させるかのように声を荒げるシーンに、2人の絆を感じました。
無事に出産できることは当たり前ではないし、無事に出産することができる確率が高い現代の医療に感謝です。

第7話 助産院での出産

小松さん回。助産院のおばちゃんがやっかいなキャラクターかと思ったら実はめっちゃ良い人だったってわかってほっこりしました。医療従事者は臆病なくらいが丁度良いよね。うん。
「お母さんのように」という呪い(ではないけど)に執拗に囚われていた妊婦さんと、知らぬ間に「お母さんのように」と思っていた小松さんの対比が面白かったです。後半の鴻鳥先生の「赤ちゃんの命を守るためだけに、自分の命をかけて自ら手術台の上に登るんです。帝王切開は、立派なお産です」というセリフが大好きです。

第8話 無脳症口唇口蓋裂

赤ちゃんが何の障害もなく産まれてくるのは奇跡だなと思えた回。妊娠中、この子に何か障害があったらどうしよう。私が妊娠糖尿病なばっかりに、何か悪いことが起こったらどうしよう、ととても心配で不安だったことを思い出しました。そして楽観的な夫を軽蔑していたことも思い出しました(笑)

第9話 切迫早産

つぼみちゃんのように、障害を持っているために病院にずっといて、親の面会も遠のいてしまっている子どもが現実にいるんだろうなと思うと胸が痛くなりました。あとフィクションとは言えつぼみちゃんの父親はひでえ奴だなとムカついた。
別の症例の話。切迫早産でとても小さく産まれた赤ちゃんを見てショックを受けた父親が「大丈夫じゃないんでしょ?正直厳しいんでしょ!?じゃあなんで助けたんですか!?」って声を荒げて取り乱したの、障害が残ると聞いて未来のことを考えて不安になってそれをぶつけたリアルな声ではあると思うんだけど、医療従事者としてはそこに患者がいたら助けない選択肢はないだろうし、この八つ当たりは辛いなぁ…(正直言えばちょっとムカつくな…)といち視聴者ながら思いました。名前をつける/つけない、予後を聞いて不安がる/大丈夫だと簡単に言う、という「母親と父親の赤ちゃんに対する考えや接し方の違い」がリアルだなと感じました。赤ちゃんが亡くなる直前に抱っこした時に、父親がやっと名前を呼んで涙を流したことには感動したけど、ここはドラマだな…とも感じた点でした。
ただの想像だけど、現実では、長い間お腹の中で赤ちゃんを育ててきて必死に産んでやっと赤ちゃんと会えた母親と、精子出して次は赤ちゃんとご対面〜な父親じゃ、多分温度差が違う事が多いんだろうな…と思う(もちろんそうでない父親もいるとは思いますが)。何が言いたいかというと世の中の父親は母親の思いに共感ないし傾聴してサポートしてくれ〜〜。私は新生児期一回も夜勤やらずただ言われたことをこなすだけで夜はぐっすり寝る夫に結構な負の感情が湧きました。

最終話 18トリソミー、死戦期帝王切開

18トリソミーのなおとくんが可愛くて可愛くて、お話の中とはいえ両親にお風呂入れてもらったり、抱っこしてもらえたり、家に帰れたりしたのが微笑ましくて泣きながらニコニコしていました。
別の症例の話。母体急変時の「えっ?何が起こったの?」という空気からの、急変したことが判明してからの怒涛の展開、チームプレイ、滾りました。QT延長症候群…全然わからん…あとで調べよう…。死戦期帝王切開というものがあることを知りませんでした。「母体の救命が第一で子どもの生死は問わない」という一文にとても恐怖を感じます。心拍が戻らない母親が、赤ちゃんの産声に気づいたように心臓を再び動かす様にドラマ性を感じました。
鴻鳥先生が病院のホールでピアノを弾いているときのエキストラの赤ちゃんたちが微笑ましくてめちゃくちゃにっこりしてしまった。寝落ちてる子ども、仏頂面の子ども、ふくふくしてる子ども、目を輝かせている子ども…子どもって可愛いなぁ、と思いました。

余談だけど、去年心電図検定受けようとしてたんですが8月のやつがコロナで1月に延期になり、1月の東京会場は瞬く間に埋まり、なおかつコロナが全く収束してない上に妊婦だったものだから受験できるわけもなく、今になります。笑 心電図、まじですっかり忘れてること多いと思うのでまた勉強せなあかんな…。

まとめ

寝かしつけ後に娘を抱いたまま全話視聴したので、事あるごとに娘の頭や頬を撫でて、無事に産めたことや順調に成長していることに感謝した5日間でした。ほぼ常に号泣していたし、目を覚ました娘が号泣してる私の顔を見て「えっ」と若干戸惑ったような表情してることが多くてそこだけは申し訳なかった。ごめん娘。

コウノドリの公式サイトに色々まだ情報がありそうなので、今度改めてじっくり読んでみようと思います。
コウノドリ シーズン2も見るぞ〜楽しみ。

金曜ドラマ『コウノドリ』|TBSテレビ

妊娠時の血糖コントロール機序について

http://www.igaku.co.jp/pdf/1207_birth-03.pdf

2012年とだいぶ前とはいえ、こちらのリーフレット画像に書いてあることが興味深かったので、メモとしてここに残しておきます。気になったのは主に右上の「ここが最先端」のところ。

代謝とプロラクチン
妊娠中の女性は非妊娠時よりインスリン分泌能が増加し, 血糖値が高くなり,インスリン抵抗性になることはすでによく知られています。その機構は長い間解明されていませんでしたが,近年,順天堂大学の綿田裕孝教授らの研究か ら,インスリン分泌細胞(膵β細胞)を増殖させているのが神経伝達物質でもあるセロトニンであることが判明し ました。プロラクチンが膵β細胞に働いてセロトニン合成を誘導し,インスリン分泌能を亢進させる新たな機序が解明されました。この機能低下が妊娠糖尿病の発生につながると考えられています。プロラクチンが妊婦のインスリン抵抗性の原因物質であることが明らかにされました。プロラクチンとインスリン,そしてセロトニンという,一見無関係にみえる3 つの因子は周産期女性の体でとても密接な関わりを持っていることが明らかになってきたのです。 大人と異なり,胎児の発育にはインスリンや糖代謝がきわめて重要な役割を果たしていることも知られています。 産後うつ病との関連も含めて今後の研究が期待されています。

オキシトシン、プロラクチン、セロトニンについてはこちらの記事でも少しだけ触れました。このリーフレットの文章は、プロラクチンとセロトニンというホルモンが妊娠時にどのように血糖コントロールに関わっているのかをわかりやすく書いたものだと思います。

リーフレットの右下のグラフを見ると、インスリン抵抗性を高めているプロラクチンの分泌は妊娠後期に向けてどんどん増加し、分娩を機に急降下しています。「妊娠後期になると、より血糖値が下がりにくくなる」の正体はこれだったんだと、今初めて知りました。
そして色々なホルモンの名称を知ってはいるものの、それぞれの役割について無知なところがあるため、新ためてそれらについて勉強しようと思います。以下、ほぼWikipediaからの引用です。

そしてインスリンのページだけで今日は力尽きました。オエッ

インスリンとは

膵臓のβ細胞で産生されるペプチドホルモン。
血中を流れるブドウ糖が、肝臓、脂肪細胞、骨格筋細胞に取り込まれるよう促し、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調節する。これらの細胞に取り込まれたブドウ糖は、グリコーゲンに合成されるか、脂肪生成作業を経て中性脂肪に合成される。肝臓においては、グリコーゲンと脂肪の両方に合成される。肝臓ではグリコーゲンの分解に伴うブドウ糖の生成作業(糖新生)と分泌が起こるが、血中のインスリン濃度が高いとき、これは強力に阻害される。血中を循環するインスリンは、身体のさまざまな組織におけるタンパク質の合成にも影響を及ぼし、血液中の小分子から細胞内の大分子への変換も促進する。

血中のインスリン濃度が低いとき、全身の体脂肪で異化作用が起こる。(異化作用とは、成分を分解して異なる物質に変える過程のこと。グリコーゲンをグルコースに分解するのも異化作用)

β細胞は血糖値に非常に敏感であり、高濃度のブドウ糖に反応する形でインスリンを分泌させ、逆に血糖値が低いときには、インスリンの分泌を阻害する。インスリンは細胞内へのブドウ糖の吸収およびブドウ糖による代謝を促し、それに伴って血糖値は低下する。

インスリンの活性の低下やインスリンの欠如は、血糖値の制御が不能となる糖尿病を惹き起こす。
糖尿病には「1型」と「2型」の2種類がある。

1型では自己免疫反応によってβ細胞が破壊されており、インスリンの合成機能は失われ、インスリンが血中に分泌されなくなる。

2型では、β細胞の破壊は1型に比べると際立ってはおらず、自己免疫反応によるものとは異なる。膵臓のランゲルハンス島の内部にアミロイドが蓄積していき、身体の生理機能を壊滅させる可能性がある。糖尿病に関しては、膵臓のβ細胞の縮小、β細胞からのホルモンの分泌機能の低下、インスリン抵抗性が関与していることが分かっている。2型糖尿病においては、グルカゴンの分泌量が増加する(グルカゴンは血糖値には反応しない)が、インスリンは血糖値に反応して分泌される

グルカゴンは膵臓ランゲルハンス島α細胞から分泌されるホルモンで、インスリンとは逆に血糖値を上げる。ブドウ糖の恒常性維持機能における重要機構の一つ。グルカゴンが分泌されるのは、β細胞からの信号を受け取った時(「グルカゴンは血糖値には反応しない」という記述はこの意味)。分泌されたグルカゴンは、肝臓におけるグリコーゲンの分解および糖新生を刺激し、それによって血糖値が上昇する。
血糖が高いとグルカゴンの分泌は本来であれば阻害される。

食べ物を食べたあとの血糖値の上昇とインスリンの分泌を最も強力に促進するのは炭水化物。タンパク質もインスリンの分泌を刺激するが、グルカゴンの分泌も誘発する。食べ物に含まれる脂肪分は、インスリンの分泌にほとんど影響を与えない。

炭水化物の摂取を減らすと、インスリン抵抗性は緩和される。
炭水化物を制限する食事は、インスリンの濃度が高い患者に有益である証拠が示された。

炭水化物が少なく、脂肪が多い食事は、空腹感と満腹感に大いに影響を与える。
炭水化物が多く、脂肪が少ない食事(カロリー制限食)と比較すると、
高脂肪食は体脂肪を減少させ、身体のエネルギー消費量の増加を促進する。

炭水化物を制限する食事は、体重を減らすという目的においても、低脂肪食よりも優れている証拠を示している。
また、炭水化物を制限する食事は、低脂肪食よりも大幅に体重を減らし、心血管疾患の危険因子も減少させる。
炭水化物の少ない食事は、血糖値とその制御の大幅な改善につながり、薬物の服用回数を減らせるだけでなく、服用の必要も無くなる可能性があり、この食事法は2型糖尿病の改善と回復にも効果的である証拠が示された。

1日を通して、インスリンの濃度が高い状態を避けることは、脂肪の蓄積を防ぐという意味でも大いに有効である。断食も有効な手段となりうる。

<まとめ>
・炭水化物の摂取量を減らす
・高脂肪食はエネルギー消費量の増加を促進する


エストロゲン、肥満、LPLの話

脂肪組織における脂肪の蓄積と減少と関連して、エストロゲンと肥満の関係の話を書き留めておく。

ヒトにおいても、卵巣を摘出したあとや、閉経後の女性の多くは肥満になる。
その理由は、エストロゲンの分泌量が減り、その脂肪細胞にLPLが大量に発現するからである。

以下はラットから卵巣を摘出した時の実験記録引用。(Wikipediaより)

LPL(Lipoprotein Lipase, リポプロテイン・リパーゼ)は、脂肪組織、骨格筋、心筋、乳腺を含む多くの末梢組織の表面に発現し、血中を流れる脂肪を細胞内に送り込む役割がある。

⭐︎LPLが脂肪細胞の表面に発現している時、血中の脂肪を脂肪細胞が取り込む。
⭐︎LPLが筋肉細胞に発現している時、脂肪は筋肉細胞に取り込まれ、筋肉はそれを燃料として消費する。

つまりLPLは筋肉細胞に発現して機能していることが良いこと!
脂肪細胞の表面に発現していると、太っていく。

エストロゲンには、脂肪細胞にあるLPLの活動を抑制・阻害する作用がある。

⭐︎細胞の周辺にエストロゲンが増えると、LPLの活性が低下し、脂肪が蓄積されにくくなる。
⭐︎逆に、このラットの実験のように卵巣を摘出することでエストロゲンが分泌されなくなると、脂肪細胞におけるLPLが活性化する。

LPLは、そこでいつもの仕事をする(脂肪を脂肪細胞に取り込む)が、脂肪を蓄積させる役割を持つLPLを妨害するエストロゲンが無いために、脂肪細胞には大量のLPLが発現し、そのせいで脂肪が脂肪細胞に次々に取り込まれ、ラットは肥満体となった。これがヒトにも起こって、閉経後は肥満になる。

・脂肪細胞の表面にあるLPLの活性化が失われ、筋肉細胞の表面にあるLPLが活性化すると、蓄積した脂肪が減少する。
・筋肉細胞の表面にあるLPLは、運動すると活性化する。が、運動をやめた途端それは止まる。

LPLとインスリンの関係

インスリンは「脂肪代謝における主要な調節器」であり、同時にLPL活性化の調節器でもあり、脂肪細胞におけるLPLの活性化を促す。

インスリンが分泌されればされるほど脂肪細胞におけるLPLの活性化はますます強まり、血中から多くの脂肪が脂肪細胞に流入していく。さらに、インスリンは筋肉細胞におけるLPLを抑制し、それによって筋肉が脂肪酸を燃料に使うこともできなくなる。

脂肪細胞から脂肪酸が放出されようという時にインスリンの濃度が高ければ、これらの脂肪酸は筋肉細胞には取り込まれず、燃料として消費されることも無く、インスリンによって脂肪細胞に再び押し戻される。

ここからは感想になるけど…
つまり「血中のインスリン濃度が高い」のは「悪いこと」。いっぱい分泌してりゃいいってもんじゃないんだね。分泌能が低下しているのも悪いことだけど、それ以上にインスリン抵抗性を改善させることが大切ってイメージがついた。

Wikipedia読んでたら果てしなくてここら辺で力尽きた

血糖コントロールの仕組み

血糖コントロールの自分用メモ。

血糖値が上がる仕組み

①口から糖質を摂取
②小腸でブドウ糖に分解&吸収
③血液中に取り込まれる
④血中のブドウ糖濃度(=血糖値)が上がる

インスリンについて

インスリンの働きは
❌血糖値を下げる
⭕️ブドウ糖をエネルギーとして利用する

インスリンの分泌には基礎分泌と追加分泌がある。
基礎分泌は24時間分泌されているもの。
追加分泌は④(=食べた後)血中にブドウ糖が来ると分泌されるもの。

この基礎分泌+追加分泌のインスリンの働きで、最初に肝臓でブドウ糖が蓄えられ、残りが筋肉や脂肪などの細胞に取り込まれる。結果、血中のブドウ糖濃度が下がる。

1型糖尿病インスリン欠乏症)の人がインスリンを打たなければいけないのは、「インスリンが不足していることでブドウ糖をエネルギーとして利用することができないから」。コロナ禍で1型糖尿病の自宅療養中だった方が、食事ができないほど衰弱していたときに自己判断でインスリン自己注射を中止していた。これはいけないことで、1型糖尿病の場合はインスリンを打たなければエネルギーとして糖を活用できず余計に衰弱してしまう。

2型糖尿病では、筋肉や肝臓でインスリンが働きにくくなったり(インスリン抵抗性)、インスリンの分泌が少なくなった(インスリン分泌不足)ために、細胞内にブドウ糖を取り込むことができず、血糖値が上がる。
膵臓

高血糖状態が続くと、膵臓が障害されてインスリン分泌が悪くなる「高血糖による毒性」という悪循環が生じる。この場合はインスリン注射が必要。膵臓の機能が回復してインスリン注射をせずとも血糖コントロールができるようになれば注射は中止になる。

ちなみにインスリンが大量に分泌されると、
・だるい
・眠い
・細胞が増える(がんの人とか注意)
・記憶力が衰える(「アミロイドベータ」というアルツハイマー認知症の原因とも言われる物質が蓄積するらしい)

血糖値スパイク

膵臓老化肥満などインスリンを分泌する能力が衰える
分泌量が減る or 分泌するタイミングが遅くなる
→細胞がブドウ糖を取り込むことができず、血糖値が急激に上がる
(→さらにその急上昇した血糖値を抑えるために、後からインスリンが大量に出る)
(→血糖値が急激に下がる)

血糖値の乱降下は血管を傷つける。

通常の健診では発見されないケースを「隠れ糖尿病」という。
健診の数値が正常な人であっても血糖値スパイクが起きている可能性はある。
日本の糖尿病患者は(予備軍含め)約2000万人≒6人に1人。
早い段階から予防に取り組むことが大切。

血糖値スパイクを防ぐには

要は小腸からの糖質の吸収をゆっくりにするのが重要。
・ゆっくりよく噛んで食べる
・ベジファースト(食物繊維を先に摂取する)
・肉や魚を糖質より先に食べる(インクレチンというホルモンが反応して放出されることで、胃腸の働きがゆっくりになるらしい)
・欠食しない(次の食事で急激に血糖値が上がる原因になる)
・炭水化物オンリーの食事をやめる
・低GI値食品を選択する
・食後1~2時間後に運動を行なう
筋トレをする

筋トレ1〜2分してからウォーキングするのがいいらしい。
あとやはり痩せ型の人にも筋トレはお勧めらしい。


▼参考サイト
インスリンと血糖コントロール | かくれ血糖.jp 〜糖尿病の血糖管理は点から線へ。いい明日が見えてくる〜
www.diabetes.co.jp
食後に注意!血糖値スパイクとは?原因と予防を初心者でもわかるよう解説 | H2株式会社

出産後の妊娠糖尿病

■出産後から今まで

出産して早2ヶ月以上経過しました。
娘が退院した直後より夜ゆっくり眠れることがなくなり、頻回授乳と張りまくる胸で半泣きで育児していたような気がします。大変すぎてあまり覚えていない…やはり記録は残しておくべきだった。

で、そん中で食事や運動に気を遣える訳もなく、思うがまま食べていましたが、分娩施設である三次救急病院での産後1ヶ月健診ではHbA1c5.5、空腹時血糖89で「何の問題もないので妊娠糖尿病についての産後フォローはこれで終了です。以後は帰省後、定期的にフォローを受けてください」と言われました。つまり産後の糖負荷試験をすることなく産後1ヶ月後の血糖値は問題ないと判断されたのです。
糖負荷試験を行わないのは、コロナ禍で院内滞在時間を短縮するために試験を省略しているとのことでした。)
でもこの時点で5.5ってのがまずショック。去年の春の私のHbA1c5.0ですよ。20代の平均は5.3、5.5って40代の平均なんですよ。そして正常値と呼ばれるのは5.5まで、5.6〜は正常高値になります。やべえ。

で、で、で。

2ヶ月が経過し少し育児に余裕が出てきた頃、自費で血糖測定のチップを購入し、食後に何度か測ってみました。で、ショックな現実が判明。

・空腹時血糖が100代なことが多い
・食後1時間にスパイクが起きている(糖質量に関わらず140〜170超)
・食後2時間も血糖値が基準値内(140以下)に下がりきっていない

完全に境界型糖尿病の血糖値になっていました。
現在進行形でめちゃくちゃショックです。
なので、里帰り前に通っていた病院で産後75gOGTTを実施してもらうことにしました。
これが本当の卒業試験…!!

■妊娠糖尿病の産後フォローについて

http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=64/9/06409N0339.pdf
こちらのページに興味深いことが書いてあったので、自分のメモとしてまとめます。

本来、妊娠糖尿病(耐糖能異常)が正常化したかは、分娩後6〜12週(≒産後1〜3ヶ月)に糖負荷試験(75gOGTT)を行い見極めます。基準値は、日本産科婦人科 学会/日本産婦人科医会、日本糖尿病学会で定めた下記の通りです。

【正常】空腹時血糖<100 および 2 時 間値<140
【空腹時血糖異常(IFG)】空腹時血糖100 以上 126 未満
【耐糖能異常 (IGT)】2 時間値 140 以上 200 未満
2型糖尿病(T2DM)】空腹時血糖126以上 or 2時間値200以上 or 糖尿病症状を認め随時血糖200以上

以下は読んでいて気になった点の抜粋です。
 GDM=妊娠糖尿病
 T2DM=2型糖尿病

・既往GDM女性 は妊娠中に正常耐糖能であった女性に比し, 2型糖尿病に罹患する相対リスクが7.4倍
・既往 GDM 女性では5年以内に約50%がT2DMを発症している
・GDM の診断基準を1点のみ満たす異常群は,正常耐糖能女性の2型糖尿病累積率と顕著な差が認められない.
(この点数は、妊娠中期の75gOGTTの結果のことだと思われます。
 空腹時血糖92以上、1時間後180以上、2時間後153以上。
 私は1時間後血糖値が183。つまり1点です)
・一方2点以上陽性のGDM既往女性の累積発症率は明らかに高く,5年後には30%強が2型糖尿病に進展している

https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-leaf01.pdf
こっちの国立成育医療推進センターの記事にもありますが、おっそろしい数字しかないですね。甘いものや脂っこいものが好きで運動もろくにしない私は、ほぼ確実にこの「5年以内に2型糖尿病を発症する人」の中に入っていると恐怖しました。

2型糖尿病への進展を防ぐためには

①GDM既往女性に将来のT2DM 発症に関する教育を行うこと
②健康的なライフスタイルの指導を図ること
③母乳保育を推奨すること
薬物療法を行うこと

順番に思ったことを述べていきます。


① 知識を得て危険因子を有している自覚をすることが、2型糖尿病に移行しない予防行動を取るための第一歩という意味だと思います。


2型糖尿病生活習慣病なのは周知の通りですが、まずその進展しやすそうな生活習慣を変えろ、ということです。文献には大変励みになる一文がありました。
「耐糖能低下者に対してライフスタイルの改善(7%以上の減量と1週間当たり150分の運動)の介入を図ることにより,非介入群に比し58%もの予防効果を認めたことを報告している」
というところです。
これは、元々生活習慣が不健康であったGDM既往女性が、生活習慣病のを改善したことにより、2型糖尿病の進行を遅らせることができた、ということだと思います。つまり元から健康的な生活習慣が身についており、肥満でもない方には、効果はやや薄いのではないか…と思いました。ただ私に限って言えば、荒れまくった食習慣や運動不足などの不健康な生活習慣があるので、まずはそこを改善していこうと思いました。


③母乳育児はともかく母子のメリットが多いようです。
・母体の血糖を下げる
・児の将来の糖尿病発症予防効果がある
2型糖尿病を発症するリスクを抑えられる
(母乳育児を行った期間が6ヵ月超12ヵ月未満だった女性は2型糖尿病のリスクが48%低く、12ヵ月以上だった女性は47%低い。6ヵ月以下の授乳期間では、リスクは25%低下したとのこと。米大手保険会社のカイザー パーマネンテの研究チームが行った長期コホート研究より)
産後うつ病や乳がん卵巣がん子宮内膜症のリスクを低下させる
などなど。

母乳で育児する女性は糖尿病リスクが低い 母乳にさまざまなメリットが | ニュース | 糖尿病ネットワーク
この記事より気になるところを引用する。

授乳により耐糖能が改善し、分娩3週後に膵臓のβ細胞量の増加が確認された。またプロラクチンは、β細胞のインスリン分泌を刺激することも分かった。さらに、授乳中にはプロラクチンがβ細胞で「セロトニン」(幸福感に関わる神経伝達物質)の産生を促すことも発見した。産生されたセロトニンは、その抗酸化作用によりβ細胞を保護するように働く。また、セロトニンがβ細胞の増殖を刺激して血糖値の安定化に寄与するという機序も見いだされた。

授乳がβ細胞の量と機能、および血糖コントロールを改善する

母乳育児は下記2つのホルモン分泌を促進する。
 ⭐︎オキシトシン…摂食を抑制する作用がある
 ⭐︎プロラクチン…母性行動を誘導する
   →⭐︎セロトニン…β細胞を保護する&β細胞の増殖を刺激する

母乳育児で血糖値を下げるために重要なホルモンは「プロラクチン」と「セロトニン」。覚えた。


インスリン抵抗性改善薬を飲んだら2型糖尿病に進行するのを抑えることができたよ、その薬はメトホルミンだよ、でも保険適応じゃないし投与は現実的に難しいよ、って書いてある。2型糖尿病を発症したらその合併症の治療にまた医療費がかさむ事になるんだから、薬で予防できるならそれを保険適応にしてはくれんかね…と思いました。(日本の薬物事情には詳しくないのでよくわからん)


■結局どうすればいいのか

痩せろ!!! (食事内容見直せ!運動しろ!)
母乳育児はいいぞ!!!

日本では96%の妊婦が母乳で育てたいと考えながら、生後3ヵ月の母乳育児率は38%という調査結果があるそうです。知らなかった。
とりま私は4kgの減量と1日に22分の運動をするといいらしい。が、育児しながら22分も運動するのって何気にキツいのでは?と思い、血糖値を下げる別の方法を探ることにした。そこでたどり着いた答えが

筋肉をつける

要は血糖値が上がらなきゃいいんだから血糖値を下げる行動をすればいいわけだ。本当は食後30分以内に20分のウォーキングとかできれば効率的なんだけど無理。(1日20分以上歩く人は、ほとんど歩かないという人に比べると糖尿病の発症率は30%も低いというデータもあるそう。あっそう。)色々方法はあるとして、私は隙間時間にできる筋トレをすることにしました。

■筋トレするとどうなるの

筋肉はブドウ糖を取り込んで、血糖をコントロールするとともにグリコーゲンとして貯蔵する重要な役割があります。なので筋肉つけて→インスリン抵抗性を改善させて→ブドウ糖を取り込んでもらって→血糖値を下げる作戦をしたいと思います。
いうて体力気力時間の関係で、毎日腹筋背筋スクワットをやるくらいしかできていませんが…。どうなるかは9月上旬の75gOGTTにわかります。少しでも値が改善していることを祈る…。
ちなみに健常者より糖尿病者の方が筋肉は落ちやすいらしい。ほんと糖尿病って良くない…。

【妊娠糖尿病】出産レポ

ご挨拶

ブログはご無沙汰しておりました。
大分経ってしまいましたが、無事出産したので出産レポをまとめていた下書きを改めて投稿しようと思います。
長いな…(笑)

私の場合、妊娠糖尿病があるため、出産は三次救急の総合病院で行いました。助産師さん曰く、当院で産む症例としては軽度すぎる妊娠糖尿病なのだそう(※私もそう思う)なので産むまでは「やっぱりここに来る必要なかったな…」と若干不貞腐れてました。

しかし、退院時には「この総合病院で産んでよかった」と思うことになりました。
妊娠糖尿病の母体から産まれた赤ちゃんは、時として外界に適応するのが遅くなることがあるそうです。私の子もその例だったようで、結果出産翌日から8日間ほどGCUに入院となりました。迅速に対処して頂けたことに感謝しかありませんし、この病院で産んで良かったと思いました。

話を戻します。
この規模の病院で産むレベルの妊娠糖尿病は、食前にインスリン30単位打つくらいのレベルの人なのだそう。
対して私は夕前インスリン(レベミル)5単位のみ。
出産までこのままでいけるかと思いきや、
三次救急故か経過観察は慎重で、

出産前日に
インスリン
ノボラピット毎食前2単位+レベミル2単位朝前と就前
に増えました。

増やした当日は誰も翌日出産日になるかわからなかったので仕方ないといえば仕方ないですが、分娩誘発を2回行っていた後だったので 今更感 がとても強かったです。もちろんお会計ではきっちり点数取られました。


【分娩誘発について】

正期産は37週0日〜41週6日。
ですが、妊娠糖尿病をはじめとした合併症がある場合は、40週を過ぎて胎盤の機能が低下する胎盤機能不全症候群のリスクが上がるそうです。
そのため、37週を過ぎた段階で入院し、予定日前に出産することを目標として分娩誘発を行うとのことでした。

ただこの病院、入院中はとても対応が丁寧なのですが、反して外来は超雑(スピード勝負だから?)で、その分娩誘発をやるために早めに入院をする、という説明を外来で受けることはありませんでした。

外来で聞いた妊娠糖尿病で37週から入院する理由は、
①血糖コントロール
②子宮内胎児死亡リスクがあるため毎日NSTをする
というものでした。

ちなみに外来初診と2回目で「何故37週から入院するのか」と問うた答えがそれだった上、どちらの回の先生も理由を述べるのにまごついていました。なので、完全に「何も考えずルーチンで入院させようとしてるんだな」としか思えませんでした。

2回目の時、馬鹿正直に「ベッド埋めるために入院させるのか?」っと聞いて否定はされましたが(笑)あまりにイラついたので…(小声)

37週で入院するのは早すぎる!
血糖コントロールは概ねできているじゃないか!
というか管理入院お金かかるやんけ!
食事を検索した限りだと絶対血糖コントロールも悪化する!

という持論を以って、2回目の外来でごねて入院を38週半ばからに延ばしてもらいました。結局産まれたのは予定日2日前だったので、遅くしてもらって心底良かったと思っています。


【分娩誘発をするにあたり】

⭐︎オキシトシンチャレンジテスト
OCTと略します。
まず胎児が経膣分娩に耐えられるかテストをしました。

・6/7 誘発1回目 バルーン40ml挿入。
約3時間後、トイレで💩とともにバルーン自然落下。
子宮口ギリ1㎝→3㎝まで開いたけど、出口はまだまだ奥の方で産まれなさそうと。

・6/8 誘発2回目 バルーン100ml挿入。夕方抜去。
子宮口3㎝→5㎝へ。赤ちゃんの高さは−2。

・6/9 誘発はお休み。
散歩、スクワット、おっぱいマッサージ、腰回しなどして過ごす。

・6/10 誘発3回目 経時記録
6:00 起床
6:30 VS測定胎児心拍確認
7:00 あつ森タイム
8:00 朝食
8:30 トイレ&歯磨き後、LDRへ移動
9:00 NST開始
10:00 末梢静脈ライン20G留置
10:20 担当医師多忙のため来ず。助産師と一緒に散歩
11:00 診察。子宮口4㎝。子宮の入り口の柔らかさ?40%、赤ちゃんの高さ−1。膣にメトロ挿入(100ml)
11:30足湯
12:07 アトニン(陣痛促進剤)12ml/h投与開始、昼食
12:37 アトニン24ml/hへ増量
13:10 アトニン36ml/hへ増量、トイレ①
14:10 アトニン48ml/hへ増量、バランスボール
14:30 アトニン60ml/hへ増量、トイレ②
15:45 破水、直後よりエグい陣痛が襲来、泣き叫ぶ(笑)
17:15 子宮口全開大、分娩室へ移動
17:25 出産。いきみ3,4回くらいで出た😂
17:30 胎盤摘出
17:40 診察、会陰裂傷(第二度)縫合
17:44 夫に電話
18:00 母に電話
18:15 私の清拭、着替え
18:30 LDRへ移動
18:40 夕飯、母子同室。赤ちゃん横目に夕飯完食。
19:25 産後2時間経過。赤ちゃん退室。産後の予定確認。
20:00 トイレ。自尿しっかりあり
20:10 自室へ帰室
20:15 実家家族、夫へ改めて連絡。
21:00 日記書いて消灯

分娩時の詳細

(以下の記録は分娩後まもなく書いたものなので、今現在あえて付け足すことはせず残します)

・6/10 誘発3回目 バルーン100ml挿入。
破水前は全然我慢できるくらいの痛みで、その日の担当助産師さんと一緒に散歩、足湯、スクワット、バランスボールと一通りやっても「陣痛来ないですねえ」なんて言って割とのほほんとしてた。

16:00まで誘発かけましょうと先生に言われていて、
15:30ベッドに戻り横になって休んでいたところ、
15:45に破水。でも最初は破水だとわからなかった。

何の予兆もなく、いきなり「ブブッ、パン!」と何かが弾けた感じと鋭い痛みがあって、直後に膣から何かが流れ出る感じがした。

よりによって担当助産師さんが不在の時&ナースコールセットし忘れてた時で、自力でナースコール押して破水した疑惑を報告。

その直後より、今までになかった強烈な子宮収縮(陣痛だという認識すらなかった)に襲われた。若干パニック。いきみ逃しをしながらひたすら耐える。💩とおしっこしたい感覚がすごいのも辛かった。
今回入院してたからいいものの、もし自宅で破水した直後にこの陣痛が来られたら動くの物凄くハードモードだなと思った。ガチで。

医師が到着して診察。
子宮口6㎝、高さ±1?エコー上、臍帯脱出なし。羊水混濁なし。感染兆候なし。
主治医より、このまま促進剤使って今日産みましょうと伝えられる。この時点で点滴漏れてる疑惑あった(笑)が、結局産むまでそのままだった(笑)

今日の担当助産師さんは3年目で、やはりまだ不慣れなところがあったようで、ベテラン助産師さんが次々来てくれて諸々介助してくれた。
医師の診察介助、3年目の人にリーダーに報告すべきことの確認、点滴の切替の指摘(メイン止めて促進剤だけいくようにしたっぽい)、医師への速度変更の指示確認、産褥パット当てたり下着をT字帯に変えたり、など。

立ち合い不可のため助産師さんの誰かがほぼ常に1人ついててくれてた。
助産師さんは陣痛の波が来るたびに呼吸法の声かけをしてくれたので、それに倣う形でなんとかいきみ逃ししてた。
目をしっかり開けて、
「フーーーッ、ウン!スゥーッ」(長く息吐く)
をひたすら繰り返して耐えた。誰も怒らず苛立った声も出さず、ひたすら根気よく声掛けしてくれたし呼吸を褒めてくれたのでなんとか頑張れた。

いきみ逃しの時、私は肛門の方より膣の方を押さえてもらうほうが楽だった。
あと陣痛の合間、腰回りをマッサージされるより、触れられないか、背中をマッサージしてもらった方が楽だった。
遠慮なく注文してねと言われたので、本能のままに遠慮なく注文つけてた(笑)

やっぱり一番辛かったのはいきみ逃しの時間かも。
「永遠じゃない!いつか終わる!いつか終わる!」
と内心唱えつつ、めっちゃ情けない声出したし「イタァーーーーッッ!?!」って泣き叫んだ😭
陣痛の合間に気を失うように少し寝てはまた陣痛がきていきみ逃しをすることを繰り返した。汗だく。

あと明らかに💩のような👶のようなのが降りてきてて、でもいきめなくて、早く子宮口の開き具合を確認してほしくて「先生次いつ来るんですか…先生まだですか…」とうわごとのように言ってた。「お産が進みそうになったら来ます」と3年目助産師さんに言われて、そりゃいつだよと内心思っていた。

結局夜勤帯に入り、ベテラン助産師さん2人が内診して、子宮口全開大ってことで陣痛の合間にささっと分娩室へ移動。その間も助産師さんが常に膣を押さえてくれるんだけど、夜勤帯の担当者もまだ経験が浅かった?ようで、一瞬手を離した時にベネランさんに怒られてた。
分娩台に乗って色々シート敷いたり足が汚れないようレッグカバー被せたりする時も順番がイマイチだったようで言われてた。
「いきんでいいよー!」「いきむ時言ってくださいねー!」「声出すと空気漏れて勿体ないからいきむ時は息止めて!」といった説明も「あなたが本当はするのよ!」って言われてて、慣れてないんだろうな〜頑張れ&指導しっかりしてるなぁ&ベテランさんがいるの安心だな〜と思ってました(笑)

先生4人(チーム)と助産師さん3,4人介助の中、3,4回のいきみで赤ちゃん👶の頭出た!
「もういきまないでいいよ!」と言われて、事前に赤ちゃんが飛び出しちゃうから頭出たらいきまないよう説明受けてたにも関わらず、いきみたい感じ(たぶん子宮収縮)があっていきみ逃しきれずいきんでしまい、めっちゃ焦らせてしまった💦

1分もしないうちに、赤ちゃん👶はちゃんと産声を上げてくれた。
「おめでとうございますーー!」と言いつつ足早に赤ちゃんを連れ去り処置してくれる助産師さん。
その間に、またベテランさんに指導受けつつ臍帯処置とかをしてくれる助産師さん。
すかさず診察と会陰裂傷処置してくれる先生。
その間に写真や動画撮ってきてくれる主治医や新人先生。小児科医もスタンバってたらしく、扉の向こうで色々やってくれてたっぽい?

たくさんの人の手のおかげで、不安になることなく(そんな暇もなかったけど)無事に出産しました😭✨


6/7のエコーで首に臍帯が一重巻きついてるのわかって、知った時はちょっと不安だったけど、実際に産む時はすっかり忘れてた。

会陰裂傷は第二度。
3-0バイクリル(吸収糸)で縫合。吸収されるまでは1,2ヶ月かかるとのこと。

会陰処置中、点滴漏れてたので左前腕に刺し替えて子宮収縮剤投与継続→当日終了。
助産師さんが身体を拭いてくれて着替え。シャワー浴びられないからありがたかった。

血糖測定は食前3検へ変更。
食後測定なし、インスリン中止。
偶然とはいえ、出産日前日にインスリン追加した内科医のセンスよ…。
15時に分食したのが最後で点滴に糖も入っていないはずなのに、何故か夕食前血糖値152mg/dlと激高🙄
助産師さんも首を傾げてたけど、とりあえず主治医から食べていい許可あったので夕飯完食しました(笑)

食べてる最中に別の助産師さんが赤ちゃんをコットに入れて連れてきてくれて、夕飯後ゆっくり赤ちゃんと触れ合うことができた。部屋に2人きりだったので写真や動画も撮った。それを夫に送ったら感動してくれてた(笑)

妊娠糖尿病妊婦の出産だったので、赤ちゃんは入院扱いとして看るそう。
今回、約2週間の入院、3回の分娩誘発処置、子の入院などなど、分娩費用が一体いくらかかるのか恐ろしい…。

でも安全と安心をお金で買ったと思ったら、まあいいよね、という話を夫としてベッドに入りました。


スピード出産だったため、母体も思ったより消耗が少なくて元気。良かったです🌸


【赤ちゃん】
性別:女の子
体重:2704g
出血量:約500g

入院中の記録

お久しぶりです。
前記事から随分経ちますが、無事出産いたしました。

毎日育児をこなすのに精一杯でなかなかブログを書く気力と時間が取れなかったのですが、やっとパターンが読めてきて時間を作ることができたので、久しぶりにブログを更新します。

自分で記録として留めておきたいことはたくさんあるのですが、順番に書いていきたい(更新していきたい)気持ちがあり、まずは入院初日の記録から残していこうと思います。

入院初日は暇だったため、当日の流れを夜中にiPadでポチポチ打っていたのが残っていました。それをここに残しておこうと思います。

【入院までの簡単な経緯】

妊娠糖尿病があるため、里帰り先の個人病院から受け入れについて難色を示される。
有事の際は他院に紹介になると言われ、「なら最初からそっち行くわ」と思い、自主的に三次救急病院を紹介受診&入院。
そちらでは妊娠糖尿病の患者は全て37週から管理入院になるといわれ、納得できずゴネて入院開始日を延ばしてもらう。
今回の日記はその初日の記録。

※結局、分娩誘発行動を結構やっていたけど予定日近くになって産まれました。
なので入院期間を先延ばしにしてもらってよかったと思いました。
妊娠糖尿病は女性特有疾患で、医療保険の特約に該当したため保険金は受け取れました。
なのでマイナスばかりではなかったし、入院期間が長い方が金銭的にはお得だったかもしれません。
だけど病院で生活するストレスを考えれば、やはり自宅で過ごす時間を増やしてよかったと思いました。





入院1日目 日記


13:00 入院受付
個室しか空いていないとのことで本日のみ個室(料金不要)


13:30 病棟扉前
事務員と薬剤師より説明を受ける。
新型コロナウイルスの感染予防のため、荷物受け渡しと面会人は同一人物(1人)、面会は週に一回15分。荷物受け渡しは助産師・看護師で行い、面会回数には含まれず。
持参薬とお薬手帳を渡す。

※後に、この「週に一回15分」という枠は、出産後の面会にも適用されることを知る。そして実際は面会前日にその枠を使ってしまったため、出産当日家族が来院したにも関わらず会えず、そのまま帰宅してもらうという事態になった。この点は超不服だった。助産師に「説明が足りないことがよくあるんですよ。すみません」と言われたが一生に一度のことだったしちょっと根に持ちます。


14:00 本人のみ病室へ案内
体温・血圧測定。異常なし。
PCR検査(鼻腔)結果は即日→18:00頃陰性確認。
6月のため新人助産師とベテラン助産師2人ペアで対応してくれた。優しくて丁寧。
個室はトイレ・シャワーはなし。だけどそこそこ広くてソファーもあった。
明日以降、空き次第大部屋に移動する可能性があるため荷物を広げるのはやめとく。


14:30 本人と母親、医師とともに別室へ
医師チームは4人。本日リーダー医師不在。
説明室で、今回の入院の目的と今後の方針、必要な同意書類について説明を受ける。

⭐︎オキシトシン・チャレンジ・テスト

胎児が経膣分娩の負荷に耐えられるか、オキシトシンを静脈より慎重投与してテストするとのこと。ちなみに日程は翌日。

テスト中は常に胎児心拍を確認するためにモニターを装着し、助産師が常時1人つく。
人手を要する検査なので、実施できるかどうかは実施予定日の朝に決定するそう。

オキシトシン投与により子宮が収縮した際、胎児心拍低下などが見られれば、その場で緊急帝王切開になるらしい。(マジか、と思った)
なので、このオキシトシン・チャレンジ・テストをすることの同意書、手術や輸血の同意書、緊急帝王切開は家族の病院到着を待たず行うことの同意書に、私と母親で署名した。
あと、緊急手術になる可能性があるため、翌日の朝食は抜き。

(血糖値大丈夫だろうか…という不安があった。
あとこのテストをすること自体聞いていなかったのでびっくりした…。)

妊娠糖尿病の場合、予定日を超えると胎盤機能が低下するリスクが通常より高いらしい。
なのでテストをクリアできた場合でも退院せず、出産するまで入院継続の方針とのこと。
赤ちゃんが自然に出てこようとするまで待つか、誘発するか。
医師からの説明はとても丁寧でわかりやすく安心した。
※私の場合、結局予定日まで3回分娩誘発をすることになりました。


15:30 母親、帰宅
面会人は1人のみであることは知っていたため、状況を見て夫か母かにすることは既に夫に伝えてあった。で、今回、荷物受け渡しと面会人が同一人物でないといけないとのことで、母親の名前で面会許可証申請を提出。あと家族歴や緊急連絡先を書く紙を書いて提出(本来は入院受付のところで事前に貰ってるはずらしいんだけど貰ってなかった…)。


16:00 NST実施
40分実施。特に問題なし。疲労があったのか寝た。
内分泌代謝内科より、血糖測定が1日6検指示が出ていると告げられる。
今まで1日4検だったのに(;o;)センサー足りなくなってしまうよ〜〜(泣)
余計な出費が…。
※結局ギリギリ足りました。前医の配慮に感謝。


17:00 勤務交代
日勤終了、夜勤帯へ。


17:30 夕回診。
私を診てくださるチーム4人とご挨拶。
リーダーの先生と初対面。
皆さん穏やかで優しそうな先生でした。


18:15
PCR検査結果がまだ出ていないとのことで部屋に夕飯を運んでくれた。
(毎度思うけどもしこれで陽性だったら激ヤバよな。)
で、心配だった内容はというと…
ご飯が4単位(200g)もあった。
糖質が高いと思って我慢していたスイカも普通に出てる。
(産後食べたいリストに入れていたものであった)
即家族にLINE。夕後血糖値を報告する約束をする。
食べ終わったあと、無意味に室内をウロウロ&スクワット&ラジオ体操してみる。
私は血糖が上がると頭が痛くなる体質だと思っているんだけど、食後1時間してそんな感覚があったので多分アウトだと思う…と思いつつもとりあえず動く。


20:25
夕後血糖値128( 'o` )
流石に白米残したけど案の定超えました。
しかし容赦なく運ばれてくる分食(パンとお茶)
食べていいのか…と思ったけど食べた。

※後日、試しに出されたご飯を完食したところ、
案の定184とかいうトンデモ数値を叩き出しました。


20:30 シャワー
床がビチャビチャで拭いてもらった。
中は思ったより綺麗でよかった。


21:00 消灯
疲労もあってか眠気はあった
ナースステーション最寄りの個室なだけあって色んな音がしたけど特に気にはならず。患者の立場でナースステーションの音を聞くのが何だか不思議だなぁと思った。
ふと思ったのが、私ほど軽症(というよりほぼ何もやることがない)ような患者がナースステーション最寄りの部屋でいいのか…ちなみに新生児室にも最寄りで、たまに赤ちゃんの声が聞こえてきた。かわいい。(と思うのは今だけかもしれない)


結局寝付けず、だらだらiPadで文章を打ち込んで寝た。
明日は朝食もないしゆっくりやな…
検査と部屋移動がいつになるかか。
ちょっと緊張する。
頑張ろうね👶



薄位色の文字は後から付け足したところです。
ちょっとした不満はあるにはありますが、
産後思わぬ出来事で赤ちゃんがGCUに入院することになり、
そこでもとても丁寧に診て&看ていただいて、
この病院に来てよかったと思いました。
結果的に出産にまつわる出来事は「いい思い出」として記憶に残すことができました。

出産レポも後日書こうと思います。