おいしいものが食べたい

26週で妊娠糖尿病の診断あり。日々気になったことや自分のためのメモを気ままに書いていくブログ。

コウノドリ シーズン1感想

最近はソファ前のテーブルにiPadとイヤホンと飲み物を準備しておき、娘を抱っこで寝かしつけたあと、抱っこしたままソファに座ってコウノドリを見るのが習慣になっていました。8/29〜9/2の5日間でエピソード10(最終回)まで視聴完了。折角なので感想を書き留めておこうと思います。読む価値はないです。

全話ともエピソード、演出、諸々全部良かったです。

キャストとかについて

脚本を書いた山本むつみさんという方は、脚本家として割と評判が良いそうです。あと坪田文さんという方も脚本に関わってるよう。公式サイトによると、脚本を書くにあたり全国各地の病院に丹念な取材を行ったそうで、やはり良い脚本を書く人は、そのための情報のインプットを怠らないのだなと感心しました。そしてその知識を脚本へ昇華する力が高いのがすごいと思います。

綾野剛さんてコウノドリが連続ドラマ初主演だったんですね。すごい〜。最初はあまり気にしていなかったけど、後半になるにつれ、厳しい現実を諭すときの優しくて穏やかな鴻鳥先生の声、すごいなぁ〜と思ってました。

四ノ宮先生の役が星野源さんだったのは知らなくて、「え!?あの冷徹(失礼)な四ノ宮先生を、星野源が!?」なんて思ってたんですが、見てたら全然違和感なくしっかりハマってるように感じられて、星野源さんの演技力すげ〜…と感心してました。常に仏頂面の役のせいもあってか、妊婦さんに「妊婦にはもっと優しくしてください!」って言われたあとにふっと笑った時の笑顔がめちゃくちゃチャーミングでびっくりした。いやいつもの星野源さんみたいな感じなんだけど、破壊力がやべかったですよ。はい。

下屋先生役の松岡茉優さんはひたすら美人だな〜かわいいな〜と思ってたし、その役とリアクションが相成って、ふわ〜初々しい感じよき…と思ってました。松岡さんだけじゃないけど、妊婦役の人含めてみんな髪がサラッサラで整ってて、さすが女優やな…って思った。

個人的にすごい好きだったのが小松さん役の吉田羊さん。「こういうスタッフ、いるいる!!!」ってめっちゃ思ってた(笑)ベテランでその場にいると頼りになるし雰囲気和むし話も上手いしって人。ぴったりだなぁと思ったし、この方の手が好きで、「スマ〜イル!」ってやる時の手とかガン見してました(笑)あとやっぱり演技上手い。小松さんメインの回の、小松さんの生い立ちを語りながら泣きそうになりながら気丈に振る舞う時の演技と表情がグッときました。
話少し逸れるけど、救命救急科の加瀬先生(平山祐介さん)、新生児科の新井先生(山口紗弥加さん)も、「あーーこういう先生、いるいる!!!」ってなんか思ってしまった(笑)私の記憶では新井先生の感じが“””ガチ“”“すぎてコエェ…!ってひとりブルってた。でも総じてああいう人は仕事ができるのも同じ。わかる。好き。

同じく新生児科の今橋先生(大森南朋)は見た目の人柄と役柄がどハマりすぎて最高チョイスすぎると思いました。父性溢れてるよ〜絶対手技丁寧で後輩の指導も上手いやつだよ〜。実際、白川先生の「不妊治療外来と産科は妊娠・出産がゴールで新生児科に皺寄せがくる」という考え方に対して「その考え方はおかしい。それはゴールではないし、そう考えているスタッフは誰もいない」とはっきり言うシーンがあったり、「口唇口蓋裂は手術で完治するのに心配しすぎじゃね?なんで受け入れられないん?」と言っていた白川先生に対して、過去同じように子どもが口唇口蓋裂で苦しんだ患者さんからの手紙を何も言わずスッと渡して、白川先生自身に考えさせる描写があって、私は大変満足しました(笑)白川先生が手紙を読んでちゃんと考える人間だって思ってるからこそのこの指導方法なんだと思います。あとひとり抱え込みがちな新井先生のことも気にかけて「赤ちゃんのためにしっかり休んでください」って言うのも、てこでも動かない鉄の女に対する効果的なアプローチを考えて言ってるな〜って思ったし、「新井先生も仲間ですから」っていう今橋先生、マジで良い先生…と思いました。

で、そういう描写を脚本に上げる人(脚本家)、演技のバランスを見てる人(監督とか)、この役にこの人と当てはめる人、などなどなど、色んな優秀なスタッフがいてこそ、この感動的なドラマができてるんだろうな〜〜と感動しました。

赤ちゃんについて

合法的に他人の赤ちゃんが見放題なのが超良かったです(ニコニコしながら)
撮影方法とかに詳しくないんだけど、こういう病院ものって場所とか一旦開けてるのかな…どうやってるんだろう…。
NICUの赤ちゃんを一瞬でもコマ送りで映すだけで、だいぶ「NICU」の説得力の強さが違うなと思いました。

おそらく、本当にNICUにいる赤ちゃんたちのご両親に撮影の許可を貰ったんだろうなと思います。(多分ね。)コウノドリのドラマが良いものに出来上がったからこそ、その撮影に協力してくれた赤ちゃんたちには良い思い出になったろうな〜と思いました。

カメラワークを意識して見ていたんだけど、両親役と赤ちゃんが3人一緒に映ってる場面はほんのごくわずかでしたね(最終回の時とか)。大抵は「両親だけ」「赤ちゃんだけ」のカットが多く、保育器越しに撮影されたものでは、両親と赤ちゃんが同時に映ってるところはあまりなかったと記憶しています。これは想像だけど、実際に赤ちゃんに触れている指や手は、実際のご両親の手だったんじゃないかと思います。NICUに入るくらいの重症度の乳児に、ドラマの撮影とはいえおいそれと触れさせない気がする…のは考えすぎだろうか。調べたら出てくるのかな。出産直後の赤ちゃんとか、どうやってるんだろう…とすごく気になりました。あとみんなかわいい。赤ちゃんはかわいい。

18トリソミーエドワーズ症候群)のなおとくん役の赤ちゃんについては、これも想像というか勘だけど、本当に18トリソミーの赤ちゃんだったんじゃないかと思っています。で、調べてみたら、やはり本当に18トリソミーのお子さんでした。
命がもたらす希望。。。:コウノドリに出演していたなおとくんの今。。。 - 日記
仁くんというんですね。一昨年に4歳の誕生日を迎えたという記事です。おめでとうございます。
ドラマでも思ったけど、改めて写真で見てもかわいい💓最終回で泣いちゃうところとか、本当に…(悪いのかもしれないけど)かわいい…って思いました…赤ちゃんが泣くのはかわいい…愛しい…(ギャン泣きされすぎるとメンタル削れるけど…)

各話ざっくり感想

第1話 飛び込み出産

未受診妊婦の話。最初は未受診という妊娠経過の管理のできなさ、「あの子いらない」という無責任な発言、無断病棟離脱に憤りを感じていました。でもそんな人にも優しい言葉をかける鴻鳥先生、優しい…。そして本来であれば、患者がいかに感情的であろうとも寄り添うのが医療従事者の役割なんだろうなぁと、シーズン1全てを通して思いました。「社会的に自立しておらず育児が難しい人へはちゃんと行政が支援するよ」という啓蒙と、この未受診妊婦の赤ちゃんと同じように鴻鳥先生自身が乳児院児童養護施設という施設で育ったという生い立ちの紹介も兼ねていると思いました。

第2話 交通事故に遭った臨月の妊婦

む゛り゛(情緒が)
交通事故にあってしまい母体は瀕死、赤ちゃんは元気、このまま母体の治療を続けるか、赤ちゃんを優先するかという選択肢を迫られた父親が、判断を迷っているうちに母体が急変して帝王切開で赤ちゃんを取り出すことになったお話。父親役の小栗旬さんの演技に何度ももらい泣きしました。
母親(母体)が自ら急変して赤ちゃんの誕生を優先させたことを「ハルが決めたんです」と称する物語性が好きです。でもテーマがテーマなだけにエンタメだと割り切れなくて、「自分の命より赤ちゃんの命が大切」という母親ハルの思いにも共感しまくりでボロ泣きしまくりの回でした。霊安室に静かに横たわったハルに、父親が縋り付くように泣いて「ハル、俺無理だよ。ハルがいてくれなきゃ」というシーンも、心情があまりにリアルでボロ泣きしました。最愛のパートナーを失った悲しさ、ひとりで子育てしていかなければいけない不安、むりだよね。無゛理゛
脳裏には池袋暴走事故がよぎりました。丁度今日が判決日で禁錮5年だそうですが全く納得いってません。

第3話 風疹の予防接種の啓蒙、妊娠中の喫煙の影響

うちは夫婦共に風疹の抗体価が足りなくて、妊娠初期は過ぎていましたが夫には自費で風疹の予防接種を受けてもらいました。夫には接種するようだいぶ強く言ったし、夫はそれに不服そうではあったけど、やっぱり間違ってなかったなと思った回でした。私は次の娘の予防接種の時に予約をして、次の次の予防接種の時に打つ予定。

第4話 切迫流産の危機

超未熟児で産む決断をするのは並大抵のことじゃないけど、その判断はその赤ちゃんの親しか下せないというのもまた事実。厳しい現実を学んだ回でした。改めて、39週までお腹の中でしっかり育ってくれた娘にありがとうと感謝しました。(泣)

第5話 中学生の出産、特別養子縁組

14歳の頃の自分でめっちゃアホで厨二だったような気がする。自分のことを思い返しても、やっぱり14歳って考えが短慮で浅はかで未来への見通しも甘くて子どもだなと思いました。だからやっぱり中学生ってまだまだ守るべき「子ども」だなと再認識した回。
この14歳の母親役の方の出産時と出産後の演技がすっっっごい良いと思いました。1話目の妊婦さんの出産時の演技なんかは「控えめだな〜」と思ってたんだけど、実際自分が経膣分娩したあとだと、この14歳の母親の演技の方がしっくり来ました。そうそうこんな感じ、痛いよね叫ぶよね、と。
で、産まれたあとに自分の顔元に運ばれてきた赤ちゃんを「じゃあ、連れて行くよ」と言われた時の、返事のできなさ。表情。「これに尽きる」と思いました。自分のお腹の中で育ち、自分が必死で産んで、無事に産まれてきてくれた我が子。その産まれた赤ちゃんを、自分がしっかり考えて養子縁組に出すことを決めていたとはいえ、本当は連れて行ってほしくない、自分の元で育てたい。助産師さんに「じゃあ、連れて行くよ」と言われても、決して「はい」とは言えない。でも、自分で考えて決めたんだから、「連れて行かないで」とも言えない。その絶妙さが表現されていると感じました。これは年齢は関係なく「母親」の感情であると思うし、そう思えるくらい赤ちゃんのことを考えたのかなと思います。養子縁組の親元に赤ちゃんを連れて行かれたあと、声を出して号泣するシーンにももらい泣きしました。ひとりの人間の人生を始めさせる責任の大きさ、ひとりの人間を育てていくことの難しさ。色々学びがある回だと思いました。

第6話 不妊治療、高齢出産

冒頭、仕事のために堕胎を希望する妊婦に対し、四宮先生がはっきりと今後のリスクを言うのスカッとしました。(実際の世の中には色んな理由で堕胎する人がいるとは思うけど)私の妊娠は丁度不妊治療を始める一歩手前の時期に判明したので、運が良かったと思ったし、やはり子どもは授かりものだなと思いました。私の職場には不妊治療をしてやっと授かった方も、諦めた方もいるので、余計にそう思うのかもしれません。
帝王切開からの羊水塞栓症(主な病態は心肺虚脱とDIC)で助かった展開になっていたけど、原作では確か死亡していたと思う(二例目の、小松さんの友人の出産時は助かってた気がするけど)。2話目でひとり亡くなっているので、全体のバランスとしてこれ以上死亡事例を入れないのはよかったと思います。
子宮を温存させたくて焦る鴻鳥先生に、今までのお話の経過を踏まえて子宮全摘に少しこだわりがありつつも冷静に判断できるようになった四宮先生が、「サクラ!」と冷静さを取り戻させるかのように声を荒げるシーンに、2人の絆を感じました。
無事に出産できることは当たり前ではないし、無事に出産することができる確率が高い現代の医療に感謝です。

第7話 助産院での出産

小松さん回。助産院のおばちゃんがやっかいなキャラクターかと思ったら実はめっちゃ良い人だったってわかってほっこりしました。医療従事者は臆病なくらいが丁度良いよね。うん。
「お母さんのように」という呪い(ではないけど)に執拗に囚われていた妊婦さんと、知らぬ間に「お母さんのように」と思っていた小松さんの対比が面白かったです。後半の鴻鳥先生の「赤ちゃんの命を守るためだけに、自分の命をかけて自ら手術台の上に登るんです。帝王切開は、立派なお産です」というセリフが大好きです。

第8話 無脳症口唇口蓋裂

赤ちゃんが何の障害もなく産まれてくるのは奇跡だなと思えた回。妊娠中、この子に何か障害があったらどうしよう。私が妊娠糖尿病なばっかりに、何か悪いことが起こったらどうしよう、ととても心配で不安だったことを思い出しました。そして楽観的な夫を軽蔑していたことも思い出しました(笑)

第9話 切迫早産

つぼみちゃんのように、障害を持っているために病院にずっといて、親の面会も遠のいてしまっている子どもが現実にいるんだろうなと思うと胸が痛くなりました。あとフィクションとは言えつぼみちゃんの父親はひでえ奴だなとムカついた。
別の症例の話。切迫早産でとても小さく産まれた赤ちゃんを見てショックを受けた父親が「大丈夫じゃないんでしょ?正直厳しいんでしょ!?じゃあなんで助けたんですか!?」って声を荒げて取り乱したの、障害が残ると聞いて未来のことを考えて不安になってそれをぶつけたリアルな声ではあると思うんだけど、医療従事者としてはそこに患者がいたら助けない選択肢はないだろうし、この八つ当たりは辛いなぁ…(正直言えばちょっとムカつくな…)といち視聴者ながら思いました。名前をつける/つけない、予後を聞いて不安がる/大丈夫だと簡単に言う、という「母親と父親の赤ちゃんに対する考えや接し方の違い」がリアルだなと感じました。赤ちゃんが亡くなる直前に抱っこした時に、父親がやっと名前を呼んで涙を流したことには感動したけど、ここはドラマだな…とも感じた点でした。
ただの想像だけど、現実では、長い間お腹の中で赤ちゃんを育ててきて必死に産んでやっと赤ちゃんと会えた母親と、精子出して次は赤ちゃんとご対面〜な父親じゃ、多分温度差が違う事が多いんだろうな…と思う(もちろんそうでない父親もいるとは思いますが)。何が言いたいかというと世の中の父親は母親の思いに共感ないし傾聴してサポートしてくれ〜〜。私は新生児期一回も夜勤やらずただ言われたことをこなすだけで夜はぐっすり寝る夫に結構な負の感情が湧きました。

最終話 18トリソミー、死戦期帝王切開

18トリソミーのなおとくんが可愛くて可愛くて、お話の中とはいえ両親にお風呂入れてもらったり、抱っこしてもらえたり、家に帰れたりしたのが微笑ましくて泣きながらニコニコしていました。
別の症例の話。母体急変時の「えっ?何が起こったの?」という空気からの、急変したことが判明してからの怒涛の展開、チームプレイ、滾りました。QT延長症候群…全然わからん…あとで調べよう…。死戦期帝王切開というものがあることを知りませんでした。「母体の救命が第一で子どもの生死は問わない」という一文にとても恐怖を感じます。心拍が戻らない母親が、赤ちゃんの産声に気づいたように心臓を再び動かす様にドラマ性を感じました。
鴻鳥先生が病院のホールでピアノを弾いているときのエキストラの赤ちゃんたちが微笑ましくてめちゃくちゃにっこりしてしまった。寝落ちてる子ども、仏頂面の子ども、ふくふくしてる子ども、目を輝かせている子ども…子どもって可愛いなぁ、と思いました。

余談だけど、去年心電図検定受けようとしてたんですが8月のやつがコロナで1月に延期になり、1月の東京会場は瞬く間に埋まり、なおかつコロナが全く収束してない上に妊婦だったものだから受験できるわけもなく、今になります。笑 心電図、まじですっかり忘れてること多いと思うのでまた勉強せなあかんな…。

まとめ

寝かしつけ後に娘を抱いたまま全話視聴したので、事あるごとに娘の頭や頬を撫でて、無事に産めたことや順調に成長していることに感謝した5日間でした。ほぼ常に号泣していたし、目を覚ました娘が号泣してる私の顔を見て「えっ」と若干戸惑ったような表情してることが多くてそこだけは申し訳なかった。ごめん娘。

コウノドリの公式サイトに色々まだ情報がありそうなので、今度改めてじっくり読んでみようと思います。
コウノドリ シーズン2も見るぞ〜楽しみ。

金曜ドラマ『コウノドリ』|TBSテレビ